相見積もりは、同じ依頼条件を複数の相手に伝え、戻ってきた回答の足りない所を確認してから比べます。「別途」「一式」「記載なし」を残したまま合計だけで決めると、頼みたい作業が抜けることがあります。
見積依頼メールと問い合わせ文の下書きにはAIを使えます。頼む範囲、送る内容、回答の採用、発注先は人が決めます。架空の3社(あおの葉移転便・まるの木運送・はるの丘移転)から見積が届いた場面で、机20台・椅子20脚・段ボール80箱のオフィス移転を例に、回答の抜けから質問を作る手順を見ていきます。
デモで試す:依頼メールの指示の例は1章に載せています。デモでは、問い合わせの下書きと回答の反映を試せます。 問い合わせと回答のデモを見る →
数量・範囲・日程を、全社へ同じ形で伝える
| 依頼に入れる条件 | 今回の例 | 回答で確かめる所 |
|---|---|---|
| 品目・数量・単位 | 机20台・椅子20脚・段ボール80箱 | 束・箱など、単位の意味も一致するか |
| 作業場所と範囲 | 都内10km以内、両拠点エレベーターあり、80箱の梱包 | 運搬と梱包の範囲がそろうか |
| 必要な追加作業 | 不要な椅子5脚の回収 | 回収できるか、料金は含むか追加か |
| 日程と対象外 | 2026年11月14日(土)の日中の作業。開梱・収納は依頼しない | 希望日で対応できるか、対象外が変わっていないか |
依頼の回答期限、見積の有効期限、支払条件も分けて確認します。回答期限と作業日・納期は別です。未定の日付をAIに作らせず、決めてから全社へ同じ条件を伝えます。
AIに渡す見積依頼メールの下書き指示
「次の条件から見積依頼メールを作ってください。机20台・椅子20脚・段ボール80箱、都内10km以内、両拠点エレベーターあり。80箱の梱包、2026年11月14日(土)の日中の作業、不要な椅子5脚の回収を含み、開梱・収納は依頼しません。税込の総額、含む作業と対象外、追加料金、対応できる日、有効期限、支払条件の回答を求めてください。回答期限は【 】のまま残してください(送る前に担当者が入れます)。」
送る前に担当者が条件を確定します。他社の見積書を無断で添えず、自社の依頼条件を伝えます。
空欄を埋める前に、何が足りないかを分ける
回答を受け取ったら、依頼した条件と見積書の原文を項目ごとに照合します。AIには一致する文と記載がない項目を出させ、人が本当に抜けているのか、別のページや一式の注記にないかを確認します。
| 見る所 | 原文で確認すること | 不足している場合の質問 |
|---|---|---|
| 数量 | 対象となる台数・箱数が一致するか | この料金は依頼した全数量を含みますか |
| 単位 | 10束(1束8箱)なら80箱と分かるか | 1束あたりの箱数と、全体の数量を教えてください |
| 対象外 | 開梱・収納などが明記されているか | 依頼した作業のうち、対象外になるものはありますか |
| 納期・作業日 | 希望日に対応できるという回答があるか | 希望日に対応可能ですか。難しい場合は候補日を教えてください |
デモでは10束×8箱=80箱と原文で確認できるので、箱数が不明とは扱いません。作業日も2026年11月14日と記載されています。デモで実際に問い合わせる抜けは、2社の不要な椅子5脚の回収費と、うち1社の回収可否です。
「含む・追加・対象外・不明」で質問先を絞る
含むなら基本額へ再加算せず、追加なら数量と税込料金を確認します。対象外なら対応可能かを改めて聞くか、必要条件を満たさないと判断します。不明は、対応しないという回答ではありません。記載のない料金を0円で埋めません。
あおの葉移転便(架空)は回収費が別途見積で金額未記載、まるの木運送(架空)は回収の可否も料金も記載なしです。はるの丘移転(架空)は回収を含みます。開梱・収納は3社とも対象外で、今回の依頼にも含めていません。
見積番号・不足項目・同じ条件を質問に入れる
AIには、不足項目を1つずつ質問にし、どの見積への質問かを番号で示させます。「全部込みですか」だけで済ませず、数量・作業・料金の合計を具体的に聞きます。
見積LT-1026-07への問い合わせ例
「まるの木運送(架空) ご担当者様。見積LT-1026-07に記載のない、不要な椅子5脚の回収は可能でしょうか。可能な場合は追加料金の合計額(税込)をお知らせください。段ボール10束は1束8箱、計80箱として比較します。机20台・椅子20脚、都内10km以内、両拠点エレベーターあり、80箱の梱包と通常の土日日中作業で、確認できる金額462,000円(税込)に回収費を加えた総額もご提示ください。」
これはデモの下書きと同じ条件です。担当者は数量・宛先・見積番号を確認し、納期など別の未回答項目があれば追記します。
対象数量と追加料金を確かめ、1回だけ足す
回答が来たら、対象の見積と依頼条件が同じか、料金が1脚の単価か5脚分の合計か、税込かを確認します。デモの回答例は、あおの葉移転便が5脚の回収に対応し合計22,000円(税込)を追加、まるの木運送も対応し合計44,000円(税込)を追加する内容です。
| 見積 | 回答前の確認できた金額(税込) | 回答例を反映し、人が確定した後(税込) |
|---|---|---|
| あおの葉移転便(架空) | 440,000円+回収費未確定 | 462,000円 |
| まるの木運送(架空) | 462,000円+回収の可否・料金未確定 | 506,000円 |
| はるの丘移転(架空) | 451,000円(回収を含む) | 451,000円(追加なし) |
画面では回答を反映しただけでは金額を確定しません。「回答あり(未確認)」の状態で根拠と追加料金を見直し、担当者が確定すると比較表へ入ります。回答の金額や根拠を変えると確定が外れ、再確認が必要になります。
追加料金を含む総額が返った場合は、それを追加料金の欄へそのまま入れると二重計上になります。原本の基本額・既存の追加料金・今回増えた分を分けて確認します。
回答がそろうまで、未確定の理由を消さない
要確認の2社を人が確定した後、比較表をExcelに保存できます。回答がなく不明が残る場合も保存できますが、確認できた金額と未確定分を分け、不明の金額セルは空欄になります。保存できたことだけで、比較が完了したとは扱いません。
デモの保存先は「見積比較表」「原本と回答の根拠」の2シートです。見積番号・条件・原本の記載・回答本文と出典を残します。回答日・確認者・選定理由の記録欄はないため、実運用で必要なら別に用意します。
必要条件がすべて満たされているかを人が確かめ、選んだ理由と未回答の扱いを記録してから発注を判断します。AIが取引先を自動で決める流れにはしません。
よく届く回答と、足りなかった条件を持ち寄る
今使っている依頼メール、見積書、追加質問と回答、比較表の列を用意し、数量・単位・対象外・納期のどこで往復が生じているかを確認します。匿名化した資料で、不足項目の抽出、下書きの修正、回答後の再確認まで試します。
質問の数だけでなく、必要な回答がそろったか、担当者がどこを直したかも記録します。今のメールや表の形に合わせ、AIへ渡す範囲と人が決める所を相談できます。
よくある質問
数量や納期が書いていなければ、どう質問しますか。
対象の見積番号と依頼条件を示し、全数量を含むか、希望日に対応できるかを具体的に聞きます。単位の換算根拠も確認し、書かれていない値を推測で埋めません。
回答を反映すれば、そのまま発注できますか。
人が原本・回答の数量・税込料金・条件を確認します。デモも反映しただけでは未確認で、確定後に比較表へ入ります。必要条件と選定理由を確認し、発注先は人が決めます。
公開デモで初回の見積依頼メールも作れますか。
初回見積依頼メールの作成機能はなく、記事内に下書きの指示例を載せています。デモは架空資料の実演記録の再生で、その場でAIは動きません。問い合わせの下書き・回答例の反映は試せますが、実メール送信は行いません。
