PoC開発事例 / EC制作事業部

EC分析を、
お客様への改善提案に。

EC制作事業部では、海外のEC分析ツールの指摘を画面から書き写し、ECサイトを運営する顧客ごとに改善提案の資料を作っていました。過去の提案で使った観点も、担当者の手元に残っていました。

この試作では、部門での知識の蓄積と資料作成をつなぐ「営業資料作成ツール」を作りました。「取り込み」の後は、基本的に「仕分け」で採否を選び、「自社KB」に保存した項目から「営業資料」に使う内容を選ぶだけで、PowerPointを作成できます。説明文はそのまま使え、必要に応じて編集もできます。

事例の概要
相談元EC制作事業部
困りごと分析結果の書き写しと顧客ごとの資料作成が手作業。過去の提案で使った知見が担当者の手元に残る。
作ったもの取り込み → 仕分け → 自社KB・営業資料をつなぐツール
自動処理分析結果の取得・整理・保存、PowerPointの組み立て
人の判断採否、営業資料に載せる内容、提出前の確認。説明文の編集は必要に応じて行う。
期間試作の実作業:約1週間 / やり取りを含む支援期間:約1か月
到達点試作と操作手順の整備まで。先方での業務評価・効果測定は未実施。

生成したPowerPointの例

改善内容を、
画面の比較で伝える。

選んだ項目から、現状の課題・改善アクション・画面イメージを1枚にまとめたPowerPointを出力します。以下は実際の出力をもとに、金額・レビュー件数・コメントを公開用の架空例に置き換えたものです。画面は、現状と改善案を説明する模式図です。

01 商品詳細のレビュー欄・投稿導線

レビューを確認・投稿する場所がない現状と、商品詳細の中にその導線を設ける改善案を並べます。

生成したPowerPointの公開用サンプル。左の現状はレビュー欄・投稿導線がなく、右の改善案は評価・レビュー一覧と投稿ボタンを商品詳細に配置している。画像を拡大

02 カートでの送料・総額表示

購入直前まで総額が分からない現状と、カートの段階で送料見込み・合計金額を示す改善案を比較します。

生成したPowerPointの公開用サンプル。左の現状は送料・総額が購入直前まで不明。右の改善案は架空の商品代金12,000円と送料見込み600円、合計12,600円をカート内に表示している。画像を拡大

データの流れ

取り込みから仕分けへ。
自社KBから営業資料へ。

営業資料作成ツールには、「取り込み」「仕分け」「自社KB」「営業資料」の4つの画面があります。書き写していた分析結果を取り込み、担当者が採否を決め、部門で再利用できる知識と、顧客ごとの改善提案資料につなげます。

4つの画面と、情報の流れ
  1. 取り込み

    海外のEC分析ツールで対象を選び、取得を開始。Chrome拡張が分析結果と画像をAPIでPC内のツールへ送り、整理します。

  2. 仕分け

    担当者は採用・保留・不採用を選択。説明文はそのまま使え、必要に応じて編集できます。採用した項目は自社KBに保存します。

  3. 自社KB

    部門で共有する知識の蓄積先です。分類や取得元から探し、次の顧客への改善提案にも使えます。必要に応じて再編集できます。

  4. 営業資料

    自社KBから今回使う項目と順番を選び、PowerPointを出力。担当者が必要な補足と提出前の確認を行います。

自社KBに残すかどうかと、今回の営業資料に使うかどうかは別に選べます。今回使わない項目も、自社KBに残して次の改善提案に活かせます。

「取り込み」の仕組みと、データの持ち方

自作のChrome拡張から、担当者のPC内で動く営業資料作成ツールの受信用HTTP APIへ接続します。取得した分析結果をJSONにまとめ、関連画像とともに送信。ツールが保存・整形し、分類・優先度・確認状態を揃えて「仕分け」に表示します。

「取り込み」で受け取ったデータ、「仕分け」で加えた判断や説明文、「自社KB」に採用した内容、「営業資料」に使う項目は分けて保持します。取り込み直した後も、元の情報と担当者が加えた判断を区別するためです。直接の取り込みに失敗した場合に備え、取得済みファイルを手動で取り込む入口も残しました。

画面イメージ

作業の段階ごとに、
見る情報と判断を分ける。

営業資料作成ツールは「取り込み」「仕分け」「自社KB」「営業資料」を切り替えて使う構成です。仕分けでは候補の採否を判断し、営業資料の画面では自社KBから今回使う項目を選びます。

営業資料作成ツールの画面構成実装をもとに再構成したイメージです。表示内容は架空データです。
営業資料作成ツール画面イメージ

仕分け

取り込んだ候補を確認し、自社KBへの採用を判断します。

全件営業資料の候補自社KBの候補要確認
配送・受け取り未処理

受け取り日時の案内を確認しやすくする

取得元
サンプルECサイト
顧客に伝える改善案
配送方法を選ぶ前に、受け取りの条件を確認できる案内を検討する。
自社KBに保存改善提案に追加検討中不採用

画面の役割:「自社KBに保存」で知識を蓄積。「改善提案に追加」なら自社KBに保存し、今回の営業資料にも加えます。

上のタブで画面イメージを切り替えられます。実データの取得・保存・PPT生成は行いません。

自動化と人の判断

作業を自動化し、
顧客に伝える改善案は担当者が決める。

基本の操作は、採否と今回のPPTに使う項目を選ぶことです。取得した説明文はそのまま使え、必要に応じて担当者が編集できます。先方の希望に合わせ、自社KBへの採用、掲載内容の選択、提出前の最終確認は人が担い、情報の取得・整理・資料の組み立ては自動処理にしました。

工程ごとの役割分担
工程仕組みが自動で行うこと担当者が行うこと
取り込み拡張機能による一括取得、API送信、保存・整形分析ツールで対象を選び、取得を開始する
仕分け確認候補の整理、検索・絞り込み、判断結果の保存採用・保留・不採用を選ぶ。説明文は必要に応じて編集する
自社KB採用した項目と、取得元・分類・編集内容の保存蓄積した内容を見直し、更新や再利用を判断する
営業資料選択した項目と順番をもとに資料を組み立てる顧客への改善提案に入れる項目と順番を選ぶ
提出前の確認生成したPPTを確認できる形で出力する必要な補足を加え、内容と表現を最終確認する

自動化する範囲も、業務の要件として決める。

資料の組み立てまでを自動化しても、採否や提出の判断は画面上で確認できるようにする。ヒアリングを通じて、担当者の仕事の進め方に合わせた分担を設計しました。開発にはAIコーディングエージェントを活用し、データの整形や資料の組み立ては決まったルールで処理しています。

担当範囲と期間

ヒアリングから、
試作と操作手順の整備まで。

相談先
EC制作事業部
担当したこと
業務ヒアリング、要件整理、Chrome拡張と営業資料作成ツール(取り込み・仕分け・自社KB・営業資料)の実装、操作手順の整備
試作の実作業
約1週間
支援期間
約1か月

実作業の時間と、やり取りを含む支援全体の期間は分けて記載しています。個別案件の納期は、範囲・資料・評価日程を確認して合意します。

到達点は、ツールの試作と操作手順の整備までです。先方での業務評価・効果測定には至っていません。

他の業務への応用

情報を取り込み、人が選び、
資料にまとめる業務へ。

この事例の「取り込み → 仕分け → 自社KB・営業資料」という考え方は、次のような業務にも応用を検討できます。いずれも応用先の例です。使えるデータと人の確認が必要な範囲を整理してから、個別に設計します。

SEOツールの診断結果 → 改善提案書
診断の指摘を取り込み、担当者が優先順位と対応方針を決め、改善提案書にまとめる。
広告レポート → 月次報告資料
数値を取り込み、担当者が変化の要因や次の施策を確認・追記し、月次の報告資料にまとめる。
見積依頼 → 提案書の下書き
依頼内容を整理し、担当者が対応範囲・前提条件・費用を確認して、提案書の下書きにまとめる。

御社のお客様の業務も、
一緒に整理するところから。

情報を集め、判断し、資料にする。その流れのどこから試せるか、技術面と顧客対応の分担を含めて相談できます。